肥満症の定義

肥満とは?

肥満の定義とその指標 
肥満とは単に体重が多いということではありません。身体に脂肪が多くついているということです。

Body Mass Index:BMI

自分がどのくらい肥満しているのかを知るには、まず、ボディマスインデックス(Body Mass Index:BMI)を計算しましょう。BMIとは身長と体重から計算した肥満度の指標の一つで下の式で求めます。
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統計上BMIが22の人が病気になりにくく死亡率がひくいことが知られていますのでBMI=22のときの体重を理想体重または標準体重とします。その体重に対してあなたの体重が何%オーバーしているかということで肥満しているかを判定します。
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標準(理想)体重は22X身長X身長(m)になります。

体脂肪量の測定

実際に体内の脂肪の蓄積量をはかるにはどうすればよいのでしょうか?
体密度法:大きな水槽の中に身体を沈め浮力から体内の脂肪量を推測
皮下脂肪測定:肩甲骨下端部や腕の皮下脂肪つまんで皮下脂肪量を推測する方法
CTによる測定:内臓脂肪量などが正確に定量ができます。但しX線被爆が伴います
体脂肪計:最近、身体のインピーダンス(身体の抵抗量)を計りその結果、体内脂肪量を類推する方法が開発され一般的になりつつあります。しかし、家庭用の簡易型は誤差も大きくあくまでもひとつの目安でしかありませんので数字に一喜一憂はしないでください。
体脂肪率の正常値
男性: 14~20%(30歳以下)17~23%(30歳以上)
女性: 17~24%(30歳以下)20~27%(30歳以上)
体脂肪率の肥満の基準
男性:25%以上
女性:30%以上

脂肪のつき方(体型による分類)

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体型による分類:肥満の型にはウエスト(W)とヒップ(H)の比により上半身型肥満(リンゴ型:左)と下半身型肥満(洋ナシ型:右)に分けられます。動脈硬化症、心臓病などの成人病との関連がより深いのは上半身型の肥満です。
上半身型:W/H>0.8(女性)または1.0(男性)

CTによる内臓脂肪型と皮下脂肪型の分類

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脂肪が内臓組織に多くつく内臓脂肪型(右)と皮下組織に脂肪がつく皮下脂肪型(左)に分けることができます。上の写真はX線CT検査による腹部の断面です。 X線では脂肪は黒く抜けて写りますので、お腹の中にたくさん脂肪がついているのがわかります。このような肥満の型は動脈硬化症、心臓病などの成人病との関連が深いので危険です。この内蔵型肥満は上半身型肥満の方によく見受けられますので注意してください
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腸間膜の脂肪:黄色いブドウの房のように見えます これが内臓脂肪です

病因による分類 原発性肥満と二次性肥満

肥満の95%は原発性肥満でその原因は下図のようなものです。遺伝的な体質の上に色々な環境要因が重なり肥満するのです。体質は変えることができませんので環境要因を一つ一つ取り除いていくことが減量のポイントなのです。一方、二次性肥満はホルモン異常などの結果起こるもので原疾患を治療することにより直ります。
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原発性肥満の原因を突き詰めるとやはり過食と運動不足が原因です。過食になる原因として食行動の異常が問題となります