メタボリックシンドロームの定義

メタボリックシンドローム

メタボリックシンドロームの診断基準
(1)必須条件
腹囲(ウエスト周囲径):男性85cm以上、女性90cm以上*
(2)上記に加え以下のうち2項目を満たすことで診断します
○中性脂肪値150mg/dl以上またはHDLコレステロール値40mg/dl未満、 
○高血圧(最高130mmHg以上・最低85mmHg以上)
○高血糖(空腹時血糖110mg/dl以上)
*: 内臓脂肪面積が100平方cm以上を意味します。女性が男性より基準値が高いのは女性の方が皮下脂肪が多いことが理由です。腹囲を測定する場合は、立った状態で静かに息をはいて測りましょう。
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最近よくこの言葉を耳にされると思います。本日はこのメタボリックシンドロームというものがどんなものか? なぜ今問題になっているのかなどを説明していきたいと思います。 まず内臓脂肪が多いということが大前提です。内臓脂肪量はへそ周りの腹囲で測ります。その基準は男性85cm以上、女性90cm以上です。これは内臓脂肪面積が100cm2以上で動脈硬化が進みやすいという研究結果から決められました。この条件に、血糖値:110mg/dl以上、血圧:130/85mmHg以上、中性脂肪:150mg/dl以上またはHDLコレステロール:40mg/dl以下(善玉コレステロールとも呼び動脈硬化を予防する効果のあるもの)のうち2つ以上あればメタボリックシンドロームと診断します。ここで注意しなければいけないことがあります。 まず基準にコレステロールがありません。それはコレステロールはこれ単独でも十分危険であるということです。 また通常、血糖126mg/dl以上を糖尿病、血圧 140/90mmHg以上を高血圧として治療を開始しますが、メタボリックシンドロームの基準はこれより低めになっています。ようするに、今までの基準よりたとえ軽い異常であっても動脈硬化は進みやすいので早くから気をつけていきましょうということです。
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ここの糖尿病、高血圧、高脂血症などをそれぞれ治療するだけでなくその水面下にある大きな内臓脂肪の塊をしっかりとることが必要です!

アデポサイトカイン 脂肪細胞は内分泌細胞

脂肪細胞からは様々なホルモン(アデポサイトカイン)が分泌されていることが明らかになりました。 その多くはインスリン抵抗性を引き起こしたり、動脈硬化促進作用を有している。 その中で抗動脈硬化作用があり、インスリン感受性を改善させる善玉ホルモン:アデポネクチンが見つかりました。このアデポネクチンは脂肪細胞が大きくなるにつれで分泌が低下することが知られています。
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内臓脂肪を減らすにはまず食事療法そして運動療法です。 体重を5%減量できれば内臓脂肪は20%も減少するといわれています。また皮下脂肪よりも早く減り始め2週間程度の運動と食事療法によるダイエットでも20%減るというデータもあります。