どのようにして動脈硬化予防していけばいいでのでしょうか?
まず適切な食事習慣を作ること、これには量・バランス・食べ方の3つの要素があります。
まず内臓脂肪が貯まらないように食べるエネルギーと運動で使うエネルギーのバランスをしっかりとることです。人に必要なエネルギーは年齢、性、体格によって違いますが成人女性では1300~1500kcal、男性では 1500~1800kcal程度ですが、その必要量は30歳を越えると減少してきます。
最近の国民栄養調査では中高年の男女とも実際の食事量は必要量の 300~500kcalもオーバーしており、その内容も、脂肪や砂糖が多くなっていると報告されています。そこで、まず食べる量をすこし控えることが大切です。その次に野菜をしっかり食べること(1日300g)、またキノコや海藻類など食物線維もしっかり食べましょう。
一方、間食など砂糖を多く取ると内臓脂肪が増えます。また果物も食べ過ぎには要注意です。果物に含まれる果糖は血糖値こそあまりあげませんが、中性脂肪を増やし内蔵脂肪増加を促進しインスリンの働きを悪くします。1日1個までにしましょう。
また夜食もよくありません。 交感神経は脂肪細胞に働き、食事のカロリーを速やかに燃焼させてくれる役割がありますが、夜は交感神経の働きが悪くなり、同じ内容のものをたべても昼よりも燃焼効率が悪くなります。
最後に運動です。身体にたまった内臓脂肪は意外によく燃えます。特に適度な運動と軽いダイエットを組み合せが有効です。厳しいダイエット単独では、たとえ体重が減っても脂肪が減る以上に筋肉や骨量も減ってしまいます。運動を加えることにより内臓脂肪が効率良く燃え、体重を5%落とすだけで内臓脂肪は20%も減ることが知られています。ではどんな運動がよいでしょうか?
急に運動不足であった人がジョギングや筋トレなど強い運動を始めても事故のもとです。まず歩くことがいいでしょう。毎日1万歩が目標です これは時間にして約1時間、距離にして6~7kmです。1日数回に分けても大丈夫、合計で1 日1万歩をめざしましょう。また、運動の効果は3日しか持続しないので週3回は歩きましょう。
またプールでの水中歩行も膝に負担がかからずお勧めです。3日坊主で終わらせないためにはなんらかの動機づけが必要です。最後に面白いサイトをご紹介します。ゲーム感覚で携帯電話と万歩計を使って四国八十八ヶ所を回るサービスです。八十八ヶ所は全部回ると1870kmもありますが1日1万歩あるくと187日で踏破できます。それぞれ札所ではバーチャルに記念撮影もできます。是非お試しください。
さあ、みなさん明日といわず今日から頑張ってください。
しかし! 急激な行き過ぎの減量は、健康を害する場合があります。実際、アメリカでは20年程前に粗悪なプロテインダイエットが流行し、その結果、数十人が不整脈などにより突然死したということもあります。行き過ぎの減食は生命の危険さえもあるのです。
肥満の食事・運動療法
「私は、今までに4回もダイエットに成功した」というベテランの方がおられます。4回減量に成功したということは過去3回は減量後に体重が元に戻ったということ、つまりダイエットに失敗したということです。急激なダイエットはこのような跳ね返り現象を引き起こすことが多いのです。
ダイエットで体重の増減を繰り返す時、減量時には骨量と筋肉量も減りますが、体重増加時にはそれは戻らず脂肪量だけが増えます。これを繰り返すとだんだん筋肉・骨量が少なくなりBMIが正常でも脂肪が多い、隠れ肥満になります。
体重1kgは約7000kcalです。1カ月で1kg減量しようとすると1日のエネルギーバランスを-230kcalししなければいけません。
まず、1カ月に1~0.5kgで結構です。これだけ?と思われるかも知れませんが1年(12カ月)では12~6kg、2年で24~12kgの減量になります。これくらいゆっくりと構えてください。
まず、あなたの食行動を見直しましょう。
食べていないのに肥るということはありえません!
食行動を分析してみましょう。
気晴らし食い/ストレス食いがありませんか?
食事の記録をとりましょう。
ただし、夜に一日を振り返って記録するというやり方では不十分です。なぜなら食行動には無意識の食行動というものがあるからです。
たとえば、好きな食べ物ものは少なく、嫌いなものは多く食べたと感じる傾向があります。また、ながら食いなど無意識のうちに食べてしまう場合もあります。
食べたその時に細かく記録してください。
その時の気持ちや状況なども記録してください。
もし、次に示す事柄が該当していたら直すようにしましょう。
今日から減量への約束事項(7つ以上守りましょう)
- 決めた時間以外に食事は取らない
- 1回の食事時間をたっぷりとる(30分)
- ひと口20回以上かむ
- 決めた場所以外では食べない
- TV、新聞を見ながら食べない
- 人と喋りながら食べない
- 夕食は午後8時までに
- 夕食後はお茶だけ
- お皿を一緒盛りにしない
- 3食均等に食べる、ドカ食いをしない
コメント:よく嚼んで食べるということが満腹中枢を刺激するのです。しっかり嚼めばそれだけおなかがいっぱいになります。逆に早食いは満腹感が出にくいのでXです。
基本的にはゆるやかな低カロリー・低脂肪食です。
過度のカロリー制限をしても緩やかなカロリー制限にくらべエネルギー不足の割には減量効率は高くないという研究結果もあります。ゆるやかに気長にいきましょう。食物繊維はしっかりとるようにしましょう。
食事の具体的なカロリーなどについては糖尿病食を参考にしてください。糖尿病食から-300~-500kcal減らした量がよいでしょう。
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肥満のもうひとつの原因それは運動不足です。
運動療法の意義、仕方は糖尿病の運動療法に準じて行いましょう。糖尿病における運動療法とひとつ違うことがあります。運動の始めは糖質が燃えてエネルギーを供給するのですが30分以上で皮下脂肪が優位に燃え出します。ですから、細切れに運動していても効率良く皮下脂肪は燃えません。1回の運動時間を30分以上にしましょう。
具体的には糖尿病の運動療法をみてください。
薬剤ではなくいわゆる食品成分の中にも抗肥満作用のあるとされるものが存在します。一部は市販されていますが、効果については客観的なデータはあまりないようです。