A. | 初診時アンケート書類 | ファイルをダウンロード |
B. | 簡易食生活チェック表 | ファイルをダウンロード |
C. | 体重経過記入表 | ファイルをダウンロード |
D. | 糖尿病薬の説明書 | ファイルをダウンロード |
E. | 携帯でお遍路さん説明書 | ファイルをダウンロード |
毎日の生活にウォーキングを習慣付けるのがた筆者の経験からも困難な場合も少なからず存在する。患者は「ウォーキング=公園で速歩」といったイメージをもつ方も多く、歩く時間が取れないと、わざわざウォーキングの時間を作るというのではなく、表 に示すように日常生活のなかでの歩行を増やしていくということから始めるのがよい。 また自分の趣味や好みにあわせて楽しみながらその過程で歩数が増えているというような工夫も大切である。 1日1万歩を目標とするがあ、まずは現状の歩数に2000歩(15分間)を上乗せし徐々に増やすようにする。可能なかぎり歩数計を持ってもらう。歩数計を使用している人はしていない人に比べ歩数が1日2500歩ほど多くという報告もある。最近はさらに正確に運動量を計測できる3D加速度計を内蔵した機器も市販されておりより生活にエネルギー消費を測定できるのでこれを利用するのもよい。 ウォーキング習慣に役立つこつ
- 寺社仏閣をめぐる
- 街道を歩く
- 商店街、地下街を歩く
- 美術館・博物館めぐり
- 写真や写生を楽しむ
- やせたら着る服を買って飾っておく
- ガソリン代、電車賃分を貯金する
- 記録をつけてグラフ化する
- マップを作り記録する
- 家を出るときは目的方向の反対方向へ
- いつもの改札とは反対の改札へ
- コンビニ、スーパーは1つ遠いところへ
運動療法はだれでもいつでもどこでも安全にできるウォーキングからスタートするのが良い。糖尿病の治療や予防に対するウォーキングの効果については異論のないところである。実際、どの程度の運動が血糖、脂質や血圧などに対し改善効果があるかを調査したスタディ(1)では、最低10Mets/h/wの運動量が必要で、できれば20Mets/h/w以上、最終的には27Mets/h/wの(3.8Mets/日=1時間強の歩行か45分の速歩) 継続した運動が望ましく、 この運動継続することにより、体重は2.4kg BMIで0.9 腹囲は4.8cm減少し、血糖コントロールもFPG 17mg/dl、HbA1c1%の改善が認められている。 またウォーキングの糖尿病の新規発症に対しても予防効果が認められ「 1 日 1 時間の速歩で 2 型糖尿病発症リスクはほぼ半減する」と報告されている(2) 前述の健康づくりのための運動指針では週23METSの運動を推奨しているが、これはちょうど1日1万歩のウォーキングで達成できる運動量でありこれを目標とする。 現在、運動していない人はまず1日2 km/30分/2,500歩のウォーキングからスタートし徐々に増やして1万歩を目指していくのがよい。患者指導の際は達成可能な目標を具体的に示すと良い。たとえばメタボリックシンドロームの症例であれば「腹囲を1ヶ月に1cm減」を目標にするとよい。 腹囲1cm減は内臓脂肪1kgの減量に相当し、脂肪1kgのエネルギーは、約7000kcalであるので1日約230kcalを減らせばよい計算となる。食事のみで230kcalを減らすと基礎代謝量の低下にもつながるので、運動量アップで120kcalを消費しダイエットで120kcalを減らすことで対応するのがよい。例えば、毎日夕食のごはんを半分に減らし、30分の速歩を行うと合計230kcalである。普通速度のウォーキングであれば約45分~1時間となる。これを3ヶ月続けると、3㎝の腹囲減=3kgの内臓脂肪減になる。
今までは運動とはあまり見なさなかった低強度の家事などの日常生活活動 NEAT(non-exercise activity thermogenesis)の重要性も注目されている。 安静時より多くのエネルギーを消費する全ての動きを「身体活動」と表現し、これを体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施する「運動」と「運動」以外の職業活動上のものも含む日常の動きである「生活活動」とに分類する。 標準的な身体活動レベルの人の総エネルギー消費量(24時間相当)は、大きく基礎代謝量(約60%)、食事誘発性熱産生(約10%)、身体活動量(約30%)の3つで構成されるが、そのうち、基礎代謝量は体格、食事誘発性熱産生は食事摂取量に依存するためほぼ一定であり、身体活動量の多寡により総エネルギー消費量が決まる。肥満者は非肥満者に比べ歩行なども含めた立位による活動時間が1日150分以上少ないという報告もある。適度な食事制限下という条件でテレビなど座ってみるのではなく立ってみる,家事を積極的に行うなどで肥満,糖尿病予防も可能である。METSでいうと2~3METSを積み重ねることが大切である。
糖尿病やメタボリックシンドロームを予防するためには、運動により脂肪細胞を減少させ、肥満を防ぐことが欠かせません。しかし、忙しい毎日の中で、ジョギングや水泳をする時間はなかなかとれないのが実情でしょう。 そこで私が提案したいのは、テレビを見る時に立っていることです。ここにおもしろいデータがあります。アメリカの看護師さんを対象に調査した結果では、一日に2時間テレビを長く見るごとに、肥満の発生率は23%、糖尿病の発生率は14%も高くなることがわかったのです。テレビを見る時は、座ったまま体をあまり動かしていないことが原因です。逆に考えれば、立ったままテレビを見ることで、日常の中で運動ができることになります。 人の体がエネルギーを消費するのには、3つのパターンがあります。一つは血液の循環など体の基礎的な機能を維持するため。一つは食べ物の消化や吸収のため。もう一つが身体活動、つまり運動によるエネルギーの消費です。 身体活動には積極的な運動以外に、”NEAT(non-exercise activity thermogenesis)”と呼ばれる運動とは呼べない活動が含まれます。たとえば3時間立っていると、座っている場合に比べて約350kcalも多くエネルギーが消費されるのです。痩せている人は、太っている人より立っている時間が1日平均3時間も長いというデータもあります。また立っていると、じっとしていられずに体を動かすようになります。そうすれば、基礎代謝もあがり、痩せやすい体になっていくのです。 立ってテレビを見るのは、一つの例にすぎません。特別に時間をとらなくても、日常の中で活発に動くことにより、肥満や糖尿病を防ぐことができます。だから、私は、”NEATな生活をしてください”と患者さんにお願いしています。近頃話題の、仕事をしない”ニート”とは正反対の健康習慣です(笑)。
運動で失敗しないコツ
あるインターネット調査によると「ダイエットをしたことがあり、かつ失敗したことがある」と答えた人は220人となり、女性181票(82%)、男性39票(18%)でした。
そのうち、失敗したことがある件数が多い順に集計をすると次の結果となりました。
1位「ジョギング・ランニング」 35票
2位「腹筋など筋肉トレーニング」 20票
3位「エクササイズ」18票
4位 「スポーツクラブ」 12票
5位「エステ」7票
6位「耳ツボ・鍼」3票
2位の筋肉トレーニングについては、具体的に、「腹筋」、「縄跳び」などで、3位のエクササイズでは、「風呂でのストレッチ」、「寝る前のストレッチ」、「ホット・ヨガ」、「市販のDVD系エクササイズ」などがあがりました。これら運動法で共通する失敗の理由についていちばん多いのは、「継続しなかった」ということです。1位~5位を合計すると71票(73%)にもなりました。つまりは、どの方法をとっても、「続かないことによる失」が圧倒的多数を占めているというわけです。
では、なぜ、継続できなかったのでしょうか。
「仕事が忙しくなると、1分でも早く寝たくてさぼってしまった、「残業が続くと時間がとれなくて続かなかった」と、多忙による理由が45票と半数を占めています。 また、忙しい時期を過ぎたとしても、「結局面倒くさくなってやめてしまった」、「いったん中断するとモチベーションが下がって続かなくなる」という意見が多かったようです
次に多いのが、「ランニングを始めて1週間で足腰が痛くて走れなくなった」、「一気に走りすぎたせいで、筋肉痛が激しすぎて動けなくなってしまった」、「ランニングをして、長時間おふろで汗をかき、食事のコントロール。10日で5kgと一度に落とし過ぎて、激しくリバウンドして5日でもとに戻った」、「ジョギングでまさに三日坊主。つらくてすぐにやめてしまった」など、3日~10日で「あっちこっちが痛い、つらい、しんどい」となってしまうパターンでした。なかには、「走りすぎで足の骨を折ってしまった」方もおられました。
これらハードワークについても、「1週間ほどで体が疲れ、一度辞めてしまうとやる気がなくなってしまう」という意見が多く、つまりは、「志しなかばで中断した場合、その後同じトレーニングへの復帰はできなくなる」という現象が起こっているのです。
■運動をして、キモチいいかどうか
「3日で3kgを落としたいなどの効果を急ぐと、どうしてもハードな運動をこなしたくなります。その結果、激しい筋肉痛などを起こしてギブアップするパターンが後を絶ちません。一度ギブアップしてしまうと、どんなことにせよ、再びの挑戦はトラウマもあってかなり難しくなります。そうならないためには、まずは無理をせずに少しずつ始めて、『運動に慣れる』ということが大事です。どういう状態かというと、『運動を始めたときに徐々に体が軽くなってきて、運動後は爽快な気分が味わえる』ということです。
爽快さを体感すると、必ずまた運動したくなります。
運動の強度を上げるには、爽快さを感じた後で少しずつ実行します。具体的には、運動時間を延長するとか、ジョギングならスピードをアップするなどしていくといいのですが、1回で上げる強度は、5%~10%アップにとどめておきます。例えば、前日に30分走ったのなら今日は33分ぐらいとする、1時間で5kmをウォーキングしたのなら、今日は5.5kmを歩く、というふうに。
それ以上をアップすると、筋肉や心肺機能に負担をかけて、体全体に疲労がたまります。強度を上げすぎると3日でギブアップというのは、実は自然なことなんです。体がとめているわけです」運動中、運動後にキモチよさを感じるかどうかが大切なことです。
■運動後に食べ過ぎてしまうときはどうする?
次いで目立った回答に「ランニング後はご飯がおいしい。ばくばく食べていたら余計に太った」というパターンがあります。
「爽快さが高じて食べ過ぎてしまうというのは、生活習慣病などの療養においてもよくあることです。それを避けるためには、食後に運動してください。ウォーキングやお部屋の片付けなどは食直後からでもOKですが、運動強度の高い運動、例えばジョギングなどは、食後すぐの運動は消化不良を起こすことがあるので、避けましょう 仕事などでそううまく食後に時間がとれないときは、運動前におにぎり1個、バナナ1本、栄養食のバーなどを食べておきます。運動後は、事前に食べたカロリー分を減らしてください。 できれば、ごはんや麺類などの炭水化物を減らして食べるようにします。最初はおなかが物足りなくても、3日ほどですぐに体全体が軽くなってダイエットの効果が表れるでしょう。これも、慣れると爽快感を覚えるようになります。 空腹を我慢して運動し、後に『ドカ食い』とか『ビールを一気飲み』をすると血糖値(血液中の糖分)が急上昇して脂肪が蓄積する原因になります。健康面でもよくありません」
最初から体が悲鳴を上げるようなハードな運動をしないこと、体がキモチいいと思う量を行うこと、運動後の食べ過ぎ予防のために運動と食事のタイミングを計ること。この3つを守り、これまでの失敗を成功へのきっかけしていただいたらと思います。