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3.インスリン分泌能力の指標

血中インスリン値(IRI)
空腹時のインスリン値は、インスリン分泌能力よりもインスリン抵抗性の指標となります。抵抗性が強いほどインスリン分泌が代償性に亢進するからです。空腹時インスリン値が10U/ml以上の場合、インスリン抵抗性の存在が疑われます。インスリンの分泌能力を見るには糖負荷試験やグルカゴン負荷試験に対する反応性をみることが必要です。
インスリン治療中の患者さんの場合は、打ったインスリンなのか自分の膵臓から分泌されたインスリンなのか区別できないので測定しても検査結果はあまり意味がありません。その場合は次に述べるC-ペプチドを用います
血中・尿中C-ペプチド値(CPR)
膵臓にあるランゲルハンス氏島にあるβ細胞からインスリンが分泌されるときにでるインスリン分子の切れ端。インスリン分子が生成されるときの足場のようなもので特別な作用はありません。しかし、インスリン分子一個につきC-ペプチドも一個放出されるので、これを測定することによりインスリン治療中の患者においてもインスリン分泌能力を推測できるすぐれものでもあります。これは尿中に排泄されるので尿中のC-ペプチドを測定することによりインスリンの分泌量を推し量ることができます。