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9.糖尿病の自然歴


糖尿病の臨床的発症に先立つインスリン抵抗性の存在
(インスリン抵抗性と分泌不全、卵とニワトリの関係?)
糖尿病と診断された方の過去の検診のデータをさかのぼって検討したところ、空腹時血糖が上昇する10年も前から空腹時インスリン値が上昇し、インスリンの抵抗性が糖尿病の発症に先行しているのが認められる。
このような例は肥満をともなった糖尿病患者に多く見られる。欧米ではこのタイプの経過をたどる肥満糖尿病が多いが、日本人においては、インスリン分泌不全が優位の比較的やせ型の2型糖尿病が多かったが最近は肥満糖尿病も増加している。
また、これらインスリン抵抗性が引き起こされる病因として内臓脂肪の存在が最近注目を集めている。 この脂肪細胞から分泌される様々な因子を総称してアデポサイトカインとよび、インスリン抵抗性や直接動脈硬化の促進に関与すると考えられている。