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ウォーキングの効果

運動療法はだれでもいつでもどこでも安全にできるウォーキングからスタートするのが良い。糖尿病の治療や予防に対するウォーキングの効果については異論のないところである。実際、どの程度の運動が血糖、脂質や血圧などに対し改善効果があるかを調査したスタディ(1)では、最低10Mets/h/wの運動量が必要で、できれば20Mets/h/w以上、最終的には27Mets/h/wの(3.8Mets/日=1時間強の歩行か45分の速歩)  継続した運動が望ましく、 この運動継続することにより、体重は2.4kg BMIで0.9  腹囲は4.8cm減少し、血糖コントロールもFPG 17mg/dl、HbA1c1%の改善が認められている。 またウォーキングの糖尿病の新規発症に対しても予防効果が認められ「 1 日 1 時間の速歩で 2 型糖尿病発症リスクはほぼ半減する」と報告されている(2)  前述の健康づくりのための運動指針では週23METSの運動を推奨しているが、これはちょうど1日1万歩のウォーキングで達成できる運動量でありこれを目標とする。 現在、運動していない人はまず1日2 km/30分/2,500歩のウォーキングからスタートし徐々に増やして1万歩を目指していくのがよい。患者指導の際は達成可能な目標を具体的に示すと良い。たとえばメタボリックシンドロームの症例であれば「腹囲を1ヶ月に1cm減」を目標にするとよい。 腹囲1cm減は内臓脂肪1kgの減量に相当し、脂肪1kgのエネルギーは、約7000kcalであるので1日約230kcalを減らせばよい計算となる。食事のみで230kcalを減らすと基礎代謝量の低下にもつながるので、運動量アップで120kcalを消費しダイエットで120kcalを減らすことで対応するのがよい。例えば、毎日夕食のごはんを半分に減らし、30分の速歩を行うと合計230kcalである。普通速度のウォーキングであれば約45分~1時間となる。これを3ヶ月続けると、3㎝の腹囲減=3kgの内臓脂肪減になる。