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2.網膜症

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上は正常の眼底写真です。
網膜とは、下の図のように眼をカメラに例えるとフィルムの部分にあたります。正常な網膜は左のような形をしています。全体は一様にオレンジ色で中心にやや暗い色のエリアがあります。これを黄斑といい、視力の70%はこの部分で感じているといわれる大切なエリアです。 写真右の白く光る円状の部分は視神経乳頭といい網膜全体に広がっている視神経が一本の束になって脳につながっている部分です。またそこから赤い動静脈が上と下に走っています。
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sdr-2-92.gif 単純性網膜症
高血糖が続くと網膜に網の目のように走っている毛細血管が脆くなり、点状の小さな出血や蛋白などが漏れ白いシミが出現します。単純性網膜症といいます。この時点では視力低下なども認められません。
image42-92.gif 増殖性網膜症
さらに血管の障害が進行すると網膜の酸欠状態により新生血管が出来てきます。この新生血管は非常に脆く大出血を起こす原因となります。これを増殖性網膜症といいます。この時点でも視力低下などの自覚症状は認められず、大出血や網膜剥離が起きて初めて視力低下を感じますが時すでに遅しで、こうなってしまうと手術をしても必ずしも視力の回復は望めません。現在、事故を含めて後天的に視力を失い盲目になられる患者さんの1/3は糖尿病による失明で、年間3000人に達しています。