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7.PKCの活性亢進

PKCは血管の透過性、収縮能、細胞外基質の産生、などの血管機能の維持に関与する酵素である。糖尿病状態における過剰なブドウ糖の細胞内流入により内因性のDG(ディアシルグリセロール)が増加することによりPKCが活性化し、その結果血管基質の肥大、透過性亢進などにより血管障害が惹起されるのではないかと考えられている。特に網膜症、腎症の進展に関与している可能性が高く、DG−PKC経路を阻害するビタミンEやPKCb阻害剤をマウスに投与したり遺伝子操作でPKC活性を抑えることにより、網膜血流の改善、腎における糸球体濾過量や微量尿アルブミン分泌などが改善することが動物実験で報告されている。
現在、すでに欧米でPKCb阻害剤のヒトを対象にした臨床試験が始まっており結果が待たれる。