糖尿病性昏睡(高血糖性)
異常な高血糖が出現すると脱水状態になり、これが血糖を押上げるといった悪循環が出現、昏睡状態になることがあります。この昏睡には2つのタイプがあります。
ケトアシドーシス性昏睡(DKAC)
インスリンの完全な欠乏状態になり糖をエネルギーとして利用できなくなり体内の脂肪が代替エネルギーとして不完全燃焼をおこし、血液中にケトン体というゴミが溜まり血液が酸性に傾き昏睡状態になる。脳浮腫なども引き起こされ生命の危険もあります。
非ケトン性高浸透圧性昏睡(NKHC)
インスリンが出ている糖尿病の場合でも手術、感染症、外傷などのストレスで脱水と高血糖状態が出現する場合もあります。この場合はケトン体は増えることなく血液も中性です。
DKAC | NKHC | |
病因 | インスリンの絶対的欠乏 | 相対的なインスリン欠乏と高浸透圧 |
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検査データ | BS400位でも発症、Na, K低値、ケトン体上昇、アシドーシス(+) | 著明な高血糖しばしば1000mg/dl以上、高Na血症、ケトン体陰性。アシドーシス(-) |
臨床症状 | 嘔吐、腹痛に始まり、意識混濁、特徴的なクスマル大呼吸 | 腹部症状やクスマル呼吸(-)、血漿浸透圧上昇 |
好発患者像 | 1型糖尿病 | 2型の高齢者、術後や感染症罹患時 |
糖尿病性昏睡(低血糖性)
インスリン治療、経口薬治療中に出現
交感神経症状(初期) イライラ、冷や汗、動悸、めまい、著明な空腹感
中枢神経症状 意識混濁、昏睡